春を迎えたある日の一日。祐一は名雪たちと一緒に香里の誕生日を祝っていた。
「香里、お誕生日おめでとう」
「おめでとう」
「ありがとう、みんな」
「へえ〜……香里さんの誕生日って、3月1日だったんだ……」
あゆが少し驚いたような声を出した。
「そうだけど……何?」
大きな目をくりくり動かして驚きを表現するあゆとは対称的に、香里は大人の余裕の微笑を浮かべていた。
「それじゃあ、ボクの方が少しだけお姉さんなんだ……」
「………………」
それを聞いた香里は、とても複雑な表情で微笑んでいた。
「あのね、祐一。わたしも香里よりお姉さんなんだよ」
「とてもそうとは思えないけどな……」
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