あるところに、大変仲の良い姉妹がいました。
「美坂〜!」
北川が吼える。
「俺は……お前が好きだ。お前が、欲しい〜っ!」
北川は、光って唸る右手を香里に差し出した。
「ごめんなさいっ!」
香里はぺこりと頭を下げた。
「北川くんの気持ちは嬉しいわ。でもね……わたしは栞の幸せを見届けるまで、誰とも幸せになるつもりはないのよ……」
鋼の決意だった。
丁度その頃。
「栞、俺はお前の事が……」
「ごめんなさい、祐一さん」
栞はぺこりと頭を下げた。
「わたし、お姉ちゃんが幸せになるまで、誰とも幸せにならないって決めたんです」
本当に仲の良い姉妹であった。
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