ロシアンティー
「祐一〜、紅茶飲む?」
「ああ、いただこうか」
ある晴れた日の昼下がり、祐一と名雪は午後のお茶を楽しんでいた。
「なあ……名雪……。それ……」
「ロシアンティーだよ。祐一、知らないの?」
「それは知っている。紅茶にジャムを入れるんだろ?」
「うん」
「お前の場合は、ジャムに紅茶が入っているんじゃないのか?」
「イチゴジャム美味しいよ?」
「いや……いいんだ……」
なるべく名雪を見ないようにして紅茶を楽しむ、相沢祐一十七歳のある日の出来事であった。
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