友情
「うああ……どうすればいいんだぁっ!」
「どうした? 相沢。悩み事があるなら相談に乗るぞ」
「北川?」
「俺達友達だろ? 困ったときはお互い様さ」
「ありがとう! 北川」
男同士の友情に、祐一はひたすら感謝した。
「ところで、一体どうした?」
「……金がないんだ……」
「何故?」
「名雪にイチゴサンデー奢って……。栞にアイス奢って……。舞に牛丼奢って……。真琴に肉まん奢って……。あゆにたい焼き……って北川? どこに行く……」
「知るかっ! 俺は帰るぜ」
言うがはやいか北川は、きびすを返して去っていった。
「……男の友情は紙よりも薄い……」
しばし祐一が呆然としていると、がやがやとにぎやかな集団が現れた。
「祐一〜、百花屋行こ〜」
「祐一さ〜ん」
「……祐一」
「祐一〜」
「祐一く〜ん」
「相沢く〜ん」
「あはは〜、祐一さ〜ん」
「相沢さん……」
突然現れた名雪、栞、舞、真琴、あゆ、香里、佐祐理、美汐が祐一の回りを隙間なく固める。
「……女の愛情は、とにかく怖い……」
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