「ゆういち〜」
家に帰った祐一を、真琴がとてとてと走ってきた。
「おかえりなさい」
そして真琴は、ピシッと三つ指をついてきちんとお出迎えをした。
流石に美汐が教えただけあって、古風というか、礼儀正しいというか。
「ああ、ただいま、真琴。あのな……」
「あう?」
「そうやって三つ指をついてお出迎えをしてくれるのは嬉しいんだが……。お前のその手、三つ指じゃなくて影絵の狐だぞ……」